象牙とは、象の長大に発達した切歯(門歯)です。多くの哺乳類の「牙」と称される長く尖った歯は
犬歯が発達したものですが、象の牙は門歯が発達したものである点が異なります。
象の生活において象牙は鼻とともに採餌活動などに重要な役割を果たしていますが、
材質が美しく加工も容易であるため、古来工芸品の素材として珍重されてきました。
■日本は最大の象牙輸入国でしたが、ワシントン条約(CITES)の締結により1989年より象牙の
輸入禁止措置が採られ、事実上世界の象牙貿易は終了しました。
その後、ボツワナ、ナミビア、ジンバブエのゾウの個体数が間引きが必要な規模へ急増し、
1997年のワシントン条約締結国会議で、ナンバーリングを行う等の措置を条件に貿易再開を決議しました。
1999年に日本向けに1度限りの条件で貿易が行われました。
南部アフリカ諸国はゾウの急増により農業被害や人的被害が見られることもあり、
引き続き貿易の継続を要望したが、一方で無制限に貿易が再開されると錯覚した密猟者が
アフリカ各地で活動を活発化、混乱が生じたことから再開の目処は立たなくなりました。
2007年、ワシントン条約の常設委員会は監視体制が適切に機能しているとした
南アフリカ、ボツワナ、ナミビアが保有している60トンを日本へ輸出することを認める決定をしました。
なお、日本と同じく輸入を希望していた中国は認められませんでした。
2008年にはCITESによって許可された象牙競売が開催され
ナミビア・ボツワナ・ジンバブエ・南アフリカの4ヵ国から出荷された合計102トンの象牙
(すべて、政府が管理する自然死した象のもの)が日本と中国の業者に限定して売却されたました。
■汚れやほこり等を取る場合、水で洗ったときは水分を乾いた布でふき取り日陰干しする
(直射日光を避けること)。
光沢を出したい場合、湿った布でホコリをふきとりその後、研磨剤を含まない光沢剤(ワックス)で
磨き布のきれいな部分で軽く乾拭きすると輝きが戻ります。
婦箸などの黄ばみを取る場合、ふきんを白くする市販の漂白洗剤を倍以上に薄めて数日浸しておくと
きれいになります。
数珠やネックレス等の黄ばみの場合は洗剤に漬けるとひもの繊維が弱くなり切れやくなるので
布に湿らせて洗剤で拭きとると良いでしょう。
世界の象牙
■汚れやほこり等を取る場合、水で洗ったときは水分を乾いた布でふき取り日陰干しする
(直射日光を避けること)。
光沢を出したい場合、湿った布でホコリをふきとりその後、研磨剤を含まない光沢剤(ワックス)で
磨き布のきれいな部分で軽く乾拭きすると輝きが戻ります。
婦箸などの黄ばみを取る場合、ふきんを白くする市販の漂白洗剤を倍以上に薄めて数日浸しておくと
きれいになります。
数珠やネックレス等の黄ばみの場合は洗剤に漬けるとひもの繊維が弱くなり切れやくなるので
布に湿らせて洗剤で拭きとると良いでしょう。
日本の象牙
古くは正倉院の御物(ぎょぶつ)となっている工芸品の素材として用いられており、
珊瑚(サンゴ)や鼈甲(ベツコウ)に並んで珍重されたことがうかがえます。
主たる輸入先は中国・東南アジアである。だが古代には南部には相当数いたとされている
中国の象も唐の時代にはほぼ絶滅したと言われており、もっぱら東南アジアから中国を
経由して日本に入ってくるルートが用いられました。
江戸時代には象牙工芸は高度な発展を見せ、根付や印籠などの工芸品に優品が存在します。
明治時代以降象牙の輸入量が増えると三味線のバチや糸巻の高級品に象牙が使用され、
さらに大正・昭和に入ると西欧のパイプ喫煙文化が導入され、パイプが主な象牙製工芸品となりました。
これらの伝統的象牙工芸品は明治維新以降のイギリスを中心とした海外交易(主に緑茶の輸出)の際や
第二次世界大戦後のアメリカ進駐軍が根付や印籠のユニークなデザインや精巧な加工に目を付ける
などしたことで、数多くの工芸品が海外に流出し特に江戸時代などの芸術性の高い根付などが
有名美術館で多数展示されています。
特にイギリス方面ではこれら根付のコレクター市場がある程で、ヴィクトリア&アルバート美術館に
展示されている根付コレクションは有名です。
なお、欧米には根付専門のコレクターも存在するほど人気が高いです。
高度成長期にはサラリーマンが増え、高額商品の分割払い(ローン)購入が普及することで
象牙製の印鑑を実印とするための需要が飛躍的に伸びて輸入された象牙消費の9割が印鑑に
加工される時代がありました。
彫刻師では菊地互道(1887-1967)と言う有名な人物が居ましたが、近年では象牙の彫刻師は
需要の減少と高齢化が進み、現在は東京や京都に数えるほどの人数しか存在しません。
菊地互道の作品は東京国立博物館に数点互道の息子(菊地敏夫氏)により寄贈されています。
印鑑の高級素材としての象牙
適度に吸湿性があって手になじみやすく、材質が硬すぎず・柔らか過ぎず・加工性も金属や
水晶や大理石・翡翠などより優れています。
朱肉の馴染みもきわめてよく高級感もあるために印鑑が契約や公式書類では欠かせません。
日本においては、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する
条約(ワシントン条約)締結までは一番の輸入大国でありました。
印材として現在は日本国内に条約施行前や一時解禁時に輸入された象牙が今でも加工されているほか、
水牛の角、カバやセイウチの牙、またはロシアの永久凍土より掘り出されたマンモスの牙が
代替品として利用されるなどしています。
近年では、象牙と全く同じ質感のある素材を牛乳のカゼイン蛋白と酸化チタン粉末から
作ることが可能で、これを利用した象牙風の安価な製品も存在します。
印材としての象牙でも部位によってランクがあります。
安物は表面近くの筋が多く入っている物。
先端に行くほど、中心に位置するほど貴重な物とされます。
通常は木材と同じく縦目に切削されますが、側面から見て年輪のように模様が出る横目印材もあります。
特徴のある文様ですが、木材と同じように強度は縦目の物には劣ります。
楽器部品としての象牙
三味線の撥として適度な弾力、掌の湿度を吸収することにより手との馴染みが良いこと、
舞台映えの良さなどで多くの三味線音楽分野において最高の素材とされています。
代替品として木や合成樹脂製のものも普及していますが、いまだ象牙を超える素材が見つかっていません。
箏の爪についても同様です。
この他箏の柱(じ・現在では一般的にほとんど合成樹脂製)、三味線の駒
(三味線音楽の種目により象牙を使用しないものもある)においても象牙の優れた性質に
勝るものがないのが現状です。
更に紫檀や黒檀などの唐木との色彩対比が美しいことから、それらと組み合わせて箏や琵琶の
部分的な装飾にもしばしば使用されますが、現在は次第に使われなくなる傾向にあります。
また三味線、ギターやリュートのナット(上駒)、三味線やリュート、ヴィオールなどの
糸巻(ペグ)、弦楽器の弓のチップにも使用されます。
音色への影響もありますが、主に見た目の美しさで選ばれることが多いです。
古くからピアノの白鍵に貼られてきたが、象牙の入手が困難になる前からより安価な
アクリル樹脂が用いられていました。
象牙の入手が困難となった現在ではアクリル樹脂に加えて、象牙に似た特性を持つ人工象牙など
演奏しやすいものが開発されて鍵盤に使われるようになりました。
ただし、現在でも一部のフルコンサートグランドピアノなどの鍵盤部には、本物の象牙が使われています。